治療と仕事の両立支援制度を活用しましょう

2026年2月告示「治療と就業の両立支援指針」とは

2026年2月10日、厚生労働省は 「治療と就業の両立支援指針」 (令和8年厚生労働省告示第28号)を告示しました。 労働施策総合推進法にもとづく指針で、病気の治療を受けながら働く人が、 症状を悪化させずに働き続けられるよう、事業主が取り組むべきことを定めています。

この指針の対象は、医師の診断により、繰り返し・継続して治療が必要で、 働き続けるうえで配慮が必要な疾病です。 がんや脳卒中などの身体疾患だけでなく、 うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調も含まれ得ます。

また、正社員・非正規などの 雇用形態に関わらず、すべての労働者が対象 です。

両立支援の基本的な流れ

指針では、両立支援は次のような流れで進めることが望ましいとされています。

  1. 労働者本人が会社に申し出る
    両立支援は、本人の申出が出発点です。
  2. 仕事の内容を主治医に伝え、意見をもらう
    会社の様式などを使って自分の仕事の内容を主治医に伝え、 症状、就業継続の可否、望ましい就業上の措置、 治療への配慮などについて主治医から意見をもらいます。
  3. 会社が産業医等の意見を聴く
    会社が主治医の意見を産業医等に伝え、必要な意見を聴きます。
  4. 会社と本人で必要な配慮を検討する
    本人とよく話し合ったうえで、就業上の措置や配慮を決め、 「両立支援プラン」や「職場復帰支援プラン」 を作成します。
  5. 実施後も状況を確認する
    実際に支援を行った後も状況を確認し、 必要に応じてプランを見直します。

長期の休業が必要な場合は、休業前に休業制度や休業できる期間、 復職の手順についての情報提供を受け、 休業中も決められた方法で連絡を取り合うこと、 復職時には主治医と産業医等の意見、本人の意向、 復帰予定の職場の意見を総合して判断することが示されています。

また指針では、会社が病気を理由に安易に就業を禁止するのではなく、 配置転換や作業時間の短縮などの措置によって、 できる限り働く機会を失わせないよう留意すること も求めています。

使える制度の例

会社によって導入状況は異なりますが、 次のような制度が両立支援に役立ちます。

  • 時間単位・半日単位の年次有給休暇
  • 傷病休暇・病気休暇
  • 時差出勤制度、フレックスタイム制
  • 短時間勤務制度
  • 在宅勤務(テレワーク)
  • 試し出勤制度

「勤務情報提供書」と「両立支援カード」

主治医は、患者さんの仕事の中身を詳しく知らないことが多いものです。

そこで、 勤務情報提供書 (会社と本人が一緒に作成)や、 両立支援カード (本人が仕事の情報を書き、主治医が意見を書く様式)を使うと、 主治医が職場の実情を踏まえた具体的な意見を出しやすくなります。

様式は厚生労働省の「治療と仕事の両立支援ナビ」からダウンロードできます。 会社が独自の様式を指定している場合もあるので、事前に確認してください。

相談できる窓口

  • 会社の人事担当・産業医・保健師
    まずは社内の相談窓口へ相談します。
  • 産業保健総合支援センター
    各都道府県にあり、労働者と事業主の間の個別調整支援なども行っています。
  • 労災病院の治療就労両立支援センター
    メンタルヘルスを含む疾病について、両立支援を行っています。
  • 両立支援コーディネーター
    本人の同意のもと、治療と仕事の情報を整理し、 必要な配慮を本人に伝える橋渡し役です。
  • 地域障害者職業センター
    リワーク支援などの職業リハビリテーションを行っています。
  • 精神保健福祉センター・保健所
    心の健康に関する相談ができます。